日本の小劇場における内輪受けについて 〜 客席は知人ばかり(その1) :演劇、あるいは、芝居

客席は、友達や関係者で埋め尽くされている・・・日本の小劇場では、よくある光景である。

小劇場の劇団では、出演者がチケットノルマを負うことが多い。
チケットの売り子は、主に出演者というわけである。

チケット代が1000円で、一人あたりのノルマが10枚だとすると、
出演者は、1万円を自分が負担することになる。
売れなかったら、その分は自腹になる。

実際のチケット代が1000円というケースはあまり多くなく、2〜3000円はしてしまう。チケットノルマも、10枚ということはなく、20枚、30枚となってくる。
考えて欲しい。例えば3000円のチケットを30枚売らなければならないとしたら、約10万円の負担である。
出演者にとっては、大きな金銭的負担になる。
もちろん、ギャラなど出ない。
出演者の多くは、アルバイトで生活をしのいでいる。
相当の負担になる。

ノルマの枚数以上売った者に対する対応は様々である。
売ったチケット代の何%かをその出演者にキックバックするというケースもあるだろうし、「頑張ったね」というねぎらいの言葉で済まされることも少なくない。

金銭的負担もさることながら、出演者がチケットの売り子になるということは、
当然、チケットを買ってくれる人は、限定されがちである。
友人、知人、家族・・・・。
自ずと客席は、知り合い(運が良ければ、知り合いの友人)であふれかえる。
(見ず知らずの人が、客席に座ってくれることは極めて稀である。)

売れない劇団あるいは役者の公演が陥るパターン。

タチの悪いことに、これが問題だと思っていない者は・・・多い。

公演が終わり、ロビーに客(知人)が出てきて出演者(客の知人)を待っていて、ご歓談が始まる。嬉しくなってキャッキャとはしゃぐ出演者たち。

・・・私の一番キライな光景・・・

本来は、知人以外の人がチケットを買ってくれるようにならなければいけない。
一定数の見知らぬ観客が客席に座ってくれた場合、その劇団、或いは、その出演者はブレイクし始める。
(食べていけるかはともかく)

・・・と、ここまで話した私は、思う。
どうやったら、そうなれるのだろうか?
と。

チケットを売ってくれる第三者がいればいいのだけど。

詳しくは知らないのだけど、
一度、アメリカのブロードウェイに行ったことがある。
有名所の公演しか無いのかと思ったら、そんなことはなく、小さな劇場も沢山あり、小さな劇団たちが公演をしている(オフブロードウェイとか呼ばれるらしい)。

(当時、今も?)ブロードウェイでは、公演の一覧が書かれたパンフレット(ミニコミ紙くらいのボリュームがある)が配られいて、そこには、有名所の公演と肩を並べて、小さな劇場の公演の情報も載っている。

ブロードウェイには、世界中から芝居好きの観光客が訪れる。
・・・彼らも来てくれるのである(来てくれる可能性がある)。

こういう環境が日本でも必要ではないだろうか?

近いと言えば、東京の「下北沢」であるが、あまりにも、ちゃっちい。
(下北沢が演劇の街と呼ばれるようになった歴史を知ると感動を覚えるのだけども、ちゃっちい)

帝国劇場やら、シアターコクーンやらのまわりに劇場があふれ、分け隔てなく公演の情報が書かれた新聞が配られる。
あるいは、公演の情報が電光掲示板にでも、・・・この際、VRでもARでも、良いから、そこを訪れた人たちに提供されている。
・・・そんな街が欲しい・・・・

と、理想を描いてから思う。どうやれば良いのだろう?

でもね、1990年代やそれ以前に比べたら、少なくとも東京での状況は格段に良くなっている。冗談抜きに。
(格差は広がっている気がするが・・・)

でも、ちゃっちい・・・

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